最近よく思うことがあります。

人との関係って、そんなに簡単にはできないんですよね。

私の感覚では、まず場所を覚えてもらうのに3年。

「あそこに行けば誰かいるな」
「なんとなく安心できるな」

そう思ってもらえるまでに3年くらいはかかる気がします。

そして、人と人をつなげるのにまた3年。

初めて会った人同士が信頼関係を築いたり、地域の中で顔見知りになったりするのは、思っている以上に時間が必要です。

さらに、その場所で本音を話せるようになるまでに3年。

悩みや不安、困りごとを打ち明けるのは勇気がいることです。だからこそ、安心して話せる関係になるまでには、やっぱり時間がかかります。

ざっくり計算すると10年。

もちろん人によって違いますが、私はそのくらいの時間が必要なんじゃないかなと思っています。

でも、その10年を大切に積み重ねることができたなら、その人の人生は少しだけ生きやすくなるんじゃないかなとも思うのです。

私はこれまで、いろいろな子どもたちと関わってきました。

その中で成長を見たり、変化を感じたり、時には悩んだり。

うまくいくことばかりではありませんでした。

それでも、人が少しずつ変わっていく姿を見ることは、私にとって大切な時間でした。

だから今も思います。

私の役目は、デザインだけではないのかもしれないと。

もちろんデザインは大好きです。

でも、伝えることも大切な仕事。

誰かの思いを言葉にしたり、人と人をつないだり、「おかえり」と言える場所を作ったり。

そんなことも私の役割なのかもしれません。

今はもう里親ではありません。

こども食堂を続けていく中で、それに近いことはできるのではないかと思っています。

帰ってこられる場所。

顔を見せられる場所。

何もなくても立ち寄れる場所。

そんな居場所を作れたらいいなと思います。

里親だったことをこれまであまり公にしてこなかったのも、子どもたちが嫌な思いをしてほしくなかったからです。

そして正直なところ、「里親をやって良かった」と簡単に言い切れるほど単純なものでもありませんでした。

楽しいことだけではなく、苦しいことや悩むこともたくさんありました。

それでも、里親として過ごした10年は、確かに私の中に残っています。

だから願うことがあります。

これから里親を目指す人たちに求められるものが、これ以上高くなりすぎませんように。

完璧な人なんていません。

それでも子どもを支えたいと思う人が、これからも一人でも増えていきますように。