私はレトロポスターが好きです。

色づかいも、文字の配置も、イラストの雰囲気も。

見ているだけで、「この時代のデザイナーさんは何を考えて作ったんだろう。」と想像してしまいます。

地元・桑名市にも、そんなデザインの歴史があります。

桑名は伊勢国の玄関口として栄え、東海道五十三次の42番目の宿場町として知られる歴史あるまち。

そして、桑名出身の**神内 生一郎(1895〜1977)**は、大正末期から東海地方の企業広告や商品宣伝ポスター、学習ノートの表紙など、数多くのデザインを手がけました。

当時は「図案家」と呼ばれる仕事自体がまだ珍しい時代。

そんな中で東海エリアの広告デザインを切り拓いた、まさに草分け的な存在だったそうです。

今のようにパソコンもAIもない時代。

すべて手描きで、一枚一枚に想いを込めて制作していたことを思うと、本当にすごいなあと感じます。

だから私は、レトロポスターを見るのが好きなんです。

古いデザインなのに、今見てもかっこいい。

情報は少ないのに、伝えたいことはちゃんと伝わる。

無駄がなくて、力強い。

デザインって流行は変わるけれど、「人に伝える」という本質は昔も今も変わらないんだなと思います。

そんな歴史が、自分の住む桑名にあったことも嬉しい。

同じデザイナーとして比べるなんて恐れ多いですが、地域で活動する一人として、少しでも誰かの記憶に残るデザインを作っていけたら幸せです。

レトロポスターを見るたびに、「やっぱり広告って面白い。」と初心を思い出させてもらっています。