デザインの仕事をしていると、不思議なことが起こります。

何時間も、何日も考えて作った案より、最後の5分で「これも作ってみようかな」と思って作ったデザインが採用されることがあるんです。

「えっ、そっち!?」

って、自分でも思わず笑ってしまうことがあります。

もちろん、5分で作ったからといって手を抜いたわけではありません。

それまで何時間も考えていたからこそ、その5分があったんです。

頭の中でずっと組み立てて、悩んで、試して。

最後の最後で、スルッと降りてくる。

まるで天からアイデアが降ってくるような感覚。

きっと音楽を作る人や、絵を描く人も、そんな瞬間があるんじゃないでしょうか。

「あ、これだ。」

そう思える瞬間。

実はその5分のデザインは、自分が作りたかったものじゃなくて、お客さんが求めていたものだったりします。

タイミングがぴったり重なっただけ。

だから、「考えれば考えるほど良くなる」とも限らないんですよね。

考えすぎると、自分の理想ばかりが大きくなってしまうこともある。

でも、デザインは作品ではなく、伝えるためのもの。

相手に届いてこそ意味があります。

だから私は、悩む時間も大切にしながら、「最初に感じた直感」も大事にしています。

経験を積めば積むほど、その直感は意外と当たる。

何百、何千と作ってきた積み重ねが、「5分」という短い時間に凝縮されているんだと思います。

今日もまた、パソコンに向かいながら考えています。

もしかしたら次の一枚も、最後の5分で生まれるのかもしれない。

そんな瞬間があるから、デザインはやめられないんですよね。