――読めないデザインは、存在しないのと同じ

デザインの相談を受けていて、実は一番多い失敗がこれです。

「文字が小さすぎる」。

おしゃれにしたい、スッキリ見せたい、その気持ちはすごく分かるんです。

でもね、読めないデザインは、どれだけ整っていても“存在しない”のと同じなんですよね。

特にチラシやお便り、名刺。

作っている側は画面を近くで見ているから読める。

でも、受け取る人は立ったまま、歩きながら、老眼鏡なし、そんな条件で見ています。

年齢層が上がるほど「読める文字サイズ」は一気に大きくなります。

これはセンスの問題じゃなくて、生理現象。

小さい文字=若者向け、ではありません。

小さい文字=読まれる確率が下がる、です。

「全部読ませたいから文字を小さくする」

これもよく聞きます。

でも実際は逆で、情報を詰め込むほど、人は読まなくなる。

読めるサイズで、必要なことだけを書く。

それだけで伝わり方は変わります。

私はよく、データを一度離れて机の上に置き、少し距離を取って見ます。

それで読めなかったらアウト。

自分の目じゃなく、“誰かの目”を借りる作業です。

デザインは自己表現じゃなく、伝達。

読めない文字は、どんなに美しくても役割を果たせません。

まずは「読める?」

そこから全部が始まります。