「Zoomでも大丈夫です」「メールで済ませましょう」
もちろん今の時代、リモートでも打ち合わせはできる。でも私はなるべく現場に足を運ぶようにしています。なぜかというと、実際の空間にいるからこそ見えるもの、感じることがあるから。募金箱を置かせてもらう時も、紙テープを届けた時も、ただの「お店」じゃなく、空気がある場所でした。音楽が鳴ってて、人の声がして、ちょっとした照明の当たり方や壁の質感すら、デザインに影響します。現場に行かないと、わからない。色味だってそう。パソコンのモニターで見た色と、実際の空間でどう見えるかは違う。誰が、どの位置に立って、どういう流れでそのデザインに出会うのか。全部、現場でしかわからないこと。人の動き、温度、におい。五感を使って感じることで、「その場所に合ったデザイン」が作れると思っています。もちろん効率は悪いし、移動も時間がかかる。でも私はその“ムダ”の中に大事なヒントがあると思っているんです。だからこそ、私は「地元密着」にこだわりたい。桑名や四日市、身近な場所で、顔の見える関係を築いて、一緒にお店や場づくりをしていく。それが私のやり方です。会って話すことで見える世界が、デザインをもっと深くしてくれるから。