パソコンの前で考え抜いたデザインが、
「なんか違うな…」ってなることがあります。
理由はシンプルで、机の上だけで完結させてしまったから。
デザインは、完成した瞬間がゴールじゃありません。
使われて、見られて、手に取られて、初めて意味を持つもの。
その“使われる場所”を想像せずに作ると、どうしてもズレが出ます。
たとえばチラシ。
明るい場所でじっくり読む前提なのか、
暗めの店内で一瞬だけ目に入るものなのか。
これだけで文字サイズも、色も、情報量も変わってきます。
看板ならなおさらです。
何メートル離れて見るのか、車からなのか、歩行者なのか。
おしゃれでも読めなかったら意味がない。
現場を知っているかどうかで、判断は180度変わります。
印刷物も同じ。
画面ではきれいだった色が、紙に乗ると沈むこともある。
触ったときの厚み、重さ、折り方。
そういう“感覚値”は、現場にしか落ちていません。
だから私は、できるだけ使われる状況を聞きます。
時には見に行きます。
遠回りに見えるけど、これが一番の近道だったりする。
デザインの正解は、頭の中じゃなく、
だいたい現場に転がっています。
それを拾いに行くかどうか。
そこに、仕事としての差が出る気がしています。
