最近、なぜか名刺デザインのご依頼がとても多いんです。
とくに会社名ではなく、個人として活動される方からのオファーが増えていて。
理由ははっきりとはわからないけれど、
「自分と向き合いたい」と思う人が、私のまわりに増えてきたのかもしれません。
名刺って、ただの連絡先ツールじゃないんですよね。
肩書きをどうするか、自分の好きな言葉を入れるか、
どんな雰囲気のフォントにするか、余白の取り方は?色は?
そうやって一緒に進めていくうちに、
自然と“自分を整理整頓する時間”になっていきます。
最初は「よくわからないけど、とりあえず名刺を…」という感じでも、
やりとりしていく中で「活動内容も入れたいかも」とか、
「こんなふうに人に渡したい」とイメージが明確になってきて、
だんだん自分のことを客観的に見られるようになる。
そして最後に、「紙、もっと分厚い方がいいよね」とか、
「受け取った相手が嬉しくなるようにしたい」と、
“誰かに渡す未来”まで想像し始める人が多くて、
その前向きな変化を見るたび、私は心がじんわり温まります。
一枚の名刺が完成するまでには、
その人の「これまで」と「これから」がぎゅっと詰まっていて。
小さな紙一枚かもしれないけど、そこに込めた想いや物語は、すごく大きい。
そんな名刺を一緒に作らせてもらえるのは、
デザイナーとしての喜びのひとつでもあります。
名刺の話でしたが、私にとっては“人の変化を支える仕事”なのかもしれません。