絵画教室でよく聞く言葉があります。

「ひとりでできるもん。」

そう言いながら、

なぜか私に抱きついてくる子どもたち。

いやいや、

それはもう“ひとりで”じゃないやつね。

と思いながら、

「そうかい、そうかい」って言って、

今日も甘やかしてしまう私です。

でもね、

私は知ってるんです。

この子たち、

本当はもう、

ひとりでできちゃうってこと。

絵を描く手も、

色を選ぶ目も、

失敗した時の立て直し方も、

ちゃんと自分で持ってる。

なのに、

「ひとりでできる」って言いながら

くっついてくるのは、

たぶん確認なんですよね。

“できるけど、

まだここにいていい?”

っていう確認。

それが分かるから、

私は「ほら、できるでしょ」なんて

言いません。

ただ

「そうかい、そうかい」って言って、

くっつかせてます。

甘やかしてるように見えて、

たぶんこれは、

見守ってるだけ。

ひとりでできるようになる前に、

誰かにくっついていい時間って、

必要なんだと思うんです。

不思議なもので、

こうやって抱きついてきた子ほど、

そのあと、

すっと席に戻って、

黙々と描き始めるんですよね。

もう大丈夫、って顔で。

教えるとか、

導くとか、

そういうよりも、

「ここにいていいよ」って

空気を作ることの方が

大事な時もある。

絵画教室だけど、

描いてるのは

絵だけじゃなくて、

自信とか、

距離感とか、

安心感とか。

「ひとりでできるもん」って言葉は、

たぶん

“もうすぐできるよ”

って意味なんだと思います。

それを信じて、

今日も私は、

そうかいそうかい、って言いながら

甘やかしてます。

だって知ってるから。

本当にひとりでできちゃうこと。