デザイナーとして日々パソコンに向かっていると、
「デジタルに強いですね」と言われることがあります。
でも、私にとってデジタルはあくまで “ツール”。
道具のひとつでしかありません。
もともと私はアナログから入るタイプで、
まずは手を動かして、紙に描いて、切って貼って、
そこから「これいいな」と思えたものだけを
デジタルに落とし込んでいくスタイル。
ラフ案を手描きで見せるよりも、
デジタルで本番に近いビジュアルを見せた方が
相手の理解度も早くて、話が進みやすい。
だから、あえて手間をかけてデジタルで組んで見せます。
これ、効率だけを考えたら“無駄な作業”に思えるかもしれません。
でも私は、実はこの「無駄」がいちばん大事だと思っていて。
やってみることでしか見えないものがたくさんあるし、
人に話せることや伝えられることって、
全部この“無駄だったかもしれない作業”から生まれてきてる。
経験って、ほんとに大きい。
お金をもらって働くことももちろん大事だけど、
私はお金にならないことでも動きます。
それは、「やってみたい」「経験したい」という気持ちがあるから。
お金では買えない経験って、世の中にたくさんある。
そして、その経験が私のメンタルを強くしてくれてる。
だから、「そんじゃないよ」って言いたい時もある。
お金を払えばデザインが手に入るかもしれない。
でも、そのデザインに“経験”が宿ってるかどうかは別の話。
やっぱり、経験したことのある人にしか出せない味ってあるから。
私は今日も、手を動かして、頭を使って、心を込めて、
「無駄じゃない無駄」を大事にしながら、
デジタルという道具を使って仕事をしています。