今から20年前、私は名古屋にある小さなデザインオフィスで働いていました。

その名前はBATTY。社長の山本さんと私、たった二人の事務所でした。

個人事務所ならではの密度の濃い時間、デザインの厳しさも、楽しさも、

全身で学ばせてもらった、大切な場所です。

あれから時が流れ、私は結婚し、出産し、地元・桑名に戻ってきて、

気がつけば自分でもdesign office 102という名前でデザイン事務所を立ち上げました。

でもずっと心のどこかで、「山本さん、元気かな」「もう一度お礼を言いたいな」って思ってた。

そんなある日、Instagramで偶然山本さんのアカウントを見つけて、

15年ぶりにメッセージを送りました。

そしてつい先日、やっと…ようやく会いに行くことができました。

20年経っているのに、山本さんは変わらずあたたかくて、

真っ直ぐな目で「ちー!!!」って笑ってくれました。

懐かしさと嬉しさと、少しの緊張と。

でも話し始めたらあっという間に昔に戻って、

「この人のもとでデザインを学べて本当によかった」って、改めて思ったんです。

design office 102という名前には、

BATTYで学んだ“デザインの原点の気持ち”も込められています。

数字の102は、私が自分らしくいられる“部屋番号”のような感覚でつけましたが、

こうして再会を果たしてみて、

あの場所が、今の私の土台になっているんだと再確認しました。

出会いは偶然じゃなくて、ちゃんと意味がある。

そして、年月を超えても繋がっていける。

これからのデザイン人生に、またひとつ“あたたかい背中”を思い出せるようになりました。