「デザインって資格あるんですか?」って、よく聞かれます。
実際のところ、資格なんてないんですよね。
あるとしたら、自分の“経験値”と“感覚”くらい。

 

もちろん勉強することは大事。
ソフトの使い方を覚えたり、デザインの基礎を知ったり。
でもそれ以上に大事なのは、日々の中で感じ取る力だと思っています。
遊びながら、歩きながら、買い物しながら。
ふとした瞬間に「この看板、なんか変だな」「このチラシ、見づらいな」って思える感覚。
その“違和感”がデザインを磨く一番の勉強なんです。

 

私も昔、街で見かけたポスターの中に「なんでこうなってるんだ?」って思うものがたくさんありました。
よく見てみると、
「クライアントの要望が詰め込みすぎなんだな」とか、
「文字数多すぎてレイアウト崩れたんだな」とか、
「もしかして時間なかった?」なんて、背景まで想像できるようになる。
そうやって“読む目”が育っていくんです。

 

資格ではなくて、経験。
テキストではなくて、体感。
実際に手を動かして、悩んで、やり直して、
その積み重ねこそがデザイナーの資格だと思っています。

 

センスって生まれつきのものじゃなくて、
毎日見て、感じて、選んでいく中で磨かれていく。
資格がなくても、“経験のデザイン力”は誰でも育てられるんです。