デザインのポートフォリオ、一応ちゃんと作ってあります。
名刺にもQRコードを載せて、そこから飛べるようにしてあるんです。
でもね、正直なところ——なかなか見てもらえない。これが悲しい現実です。

デザイナーのポートフォリオって、「これまでこんな仕事をしてきました」というアルバムみたいなもの。
企業名が並べば並ぶほど“信頼”や“実績”の証になるし、見栄えもいい。
でも私は、最近こう思うんです。
ポートフォリオを見せるより、目の前で「これ作ってもいいですか?」って言って、チャチャっと形にして見せる方が、ずっと伝わる。

実際、それで仕事につながったことも多いです。
「え、今この場でできちゃうの?」って驚かれて、そのまま話が進む。
スピードと臨場感が、信頼を生む瞬間です。

私の場合、“自分らしさ”というデザインスタイルはあまりありません。
依頼してくれる人の想いや目的をどう形にするか。
だから毎回、トーンも雰囲気も違って当たり前。
「その人のために作る」ことを大事にしているからです。

ただ、そんな自分でも思うのは——
「信頼されるポートフォリオ」は、やっぱり必要だということ。
一つひとつの作品に、自分の姿勢や考え方がにじむような、そんな記録を残していきたい。

これからも、“作品集”というより“信頼集”みたいなポートフォリオを目指して。
誰かが見たときに、「この人にお願いしたい」と思ってもらえるように。
デザインを通して、そんな関係を積み重ねていけたらいいなと思っています。