娘の子育て日記のようになってしまっているな…と自分で思いながらも、どうしても書きたくなるのが彼女の成長や挑戦のことです。うちの3番目は場面緘黙症や自閉など、いろいろ抱えている部分があります。正直、専門医に聞かなければ分からないことばかりで、親として「どうしてやればいいんだろう」と迷う毎日です。でもその中で大切にしているのは、彼女自身の気持ち。本人が何を感じているのか、どんなことを「楽しい」と思うのか。そこを無視してしまうと、きっとすべてが辛くなってしまうから。

義務教育と反りが合わないというか、学校行事の中には苦手なものが多いんですよね。特に運動会。団体で何かをする、全員で合わせるということが、とても大きな壁になってしまう。でも不思議と、プロレスや大正琴はできるんです。理由は分かりません。私にも説明はできません。でも「できちゃう」「楽しいからやれる」っていう感覚があるんだと思います。好きなことに向かう時の表情は、やっぱり違う。

我慢しながら過ごす日常の中で、心から楽しいと思える時間がある。それが娘にとっての大正琴やプロレスなのかもしれません。そこでは彼女自身が「自分らしくいられる」。親としては、それがとてもありがたく、尊いことに思えます。

私はデザイナーという職業で生きていますが、娘を見ていると「デザイン以前の人間力」を学ばされている気がします。何を楽しみ、何に心を動かされ、どんな時に表情が変わるのか。その“感じる力”こそ、人を動かす根っこなのだと。

きっと私は、娘に育てられているんだなと思います。大正琴の音色を聴きながら、彼女の「楽しい」を大事にできる自分でありたい。そして、私自身も「楽しいからできる」ことをもっと追いかけていきたい。そう思わせてもらえる毎日です。