仕事をしていても、デザインをしていても、人生でも、うまくいかないことってありますよね。私も20年以上デザインを続けていますが、それでも毎日がトライアンドエラーです。うまくいかないときほど、次にどう活かすかを考えられる大事な時間になります。失敗から学べることって、成功よりもずっと多いんですよね。

私が大切にしているのは、「失敗してもいい場所で挑戦する」ということ。制作でも、試作でも、実験的に作ってみること。そうすることで、見えてくることがたくさんあります。色や形、構成や言葉の選び方。やってみないとわからないことがほとんどです。失敗するたびに、少しずつ自分の幅も広がっていくのを感じます。

逆に今の子どもたちは、失敗する機会が少ないように思います。何かにチャレンジする前から、「間違えたらどうしよう」とか「できなかったら恥ずかしい」と思わされることも多い。失敗の経験を奪ってしまうと、どうして良いかわからなくなり、挑戦すらできなくなってしまうんですよね。それはとてももったいないことだと思います。

だから私は、子どもたちにも「失敗していい」「やってみていい」と伝えたい。こども食堂やワークショップで一緒に作業するときも、失敗すること自体を楽しむ雰囲気を大事にしています。少し間違えても、思い通りにいかなくても、「次に活かせばいい」だけなんです。

挑戦できる環境、失敗しても安心できる環境を持つこと。それが自信にもつながるし、成長の土台になる。失敗を恐れず、やってみることの楽しさを、これからも伝えていきたいなと思っています。