私はデザイナーをしているのですが、モチーフを選ぶときに「カエル」を頼まれることが時々あります。よくよく考えてみると、日本人って本当にカエルが好きなんじゃないかな?と思うんです。
まず一番有名なのは「無事カエル」。交通安全のお守りやキーホルダーにカエルのモチーフが多いのは、やっぱり“帰る”と“カエル”のダジャレから。日本人は昔から言葉遊びが大好きで、ダジャレの中に願いを込める文化を持っています。「お金がカエル」「福がカエル」など、カエルは縁起物として親しまれてきました。
さらに、カエルは「成長」や「変化」の象徴でもあります。おたまじゃくしからカエルになる姿は、デザインやアートの進化のプロセスにも似ています。ひとつの形にとどまらず、変化して新しい姿にカエル。その柔軟さは、クリエイターにとって学ぶべき点が多い存在です。
私自身もデザインを考えるとき、「カエル的発想」を心がけています。例えば、ちょっとした視点の転換や、遊び心のある言葉選び。真面目すぎるより、ダジャレやユーモアがあったほうが、デザインは人の心に届きやすい気がするんです。ポスターやロゴをつくるときも、ほんの少し笑ってもらえる仕掛けがあると、見る人との距離がぐっと縮まります。
だからこそ、カエルという存在はただのかわいい動物ではなく、日本人の暮らしや心に深く根付いたシンボルだと思います。無事に「帰る」、豊かさを「カエル」、そして自分自身を「変える」。そんな意味を背負いながら、今日もどこかで愛されているのがカエルなのです。
「日本人はカエルが好き!?」という問いの答えは、やっぱりYES。私もその一人として、これからも“カエル的な遊び心”をデザインに取り入れていきたいと思います。