デザインの世界でよく使われる言葉に「ラフ」というものがあります。
ざっくりとした構成案とか、イメージを伝えるためのたたき台みたいなもの。
でも、うちの場合は“ほとんど完成品に近いラフ”をお出ししています。
というのも、やっぱりラフって“伝わらない”んですよね。
この線が仮なのか、色が変わるのか、レイアウトがズレているのか──
見慣れていない人にはわかりにくい。
それよりも、ほぼ完成形に近い状態で見てもらうほうが、話が早いんです。
もちろん、構成や方向性を整理する段階では「ご提案書」として、必要な情報やこちらが知りたいポイントをまとめて提出しています。
そのうえで、写真や文字の配置、色味なども細かく作り込んでいく。
フリー素材を使って、実際に撮影するイメージに近づけるようにしておくと、
あとでカメラマンに「こういう角度で撮ってください」と指示が出しやすいんです。
だから、最初の“ラフ”の段階で完成の7〜8割は見せています。
その分、打ち合わせがとても大事。
お話しながら、「この雰囲気が好き」「こっちの色味のほうがしっくりくる」とか、
そういうリアルな反応を聞くことで、デザインがどんどん磨かれていくんです。
デザインって、結局は“伝える仕事”。
伝わらないラフより、伝わる完成形を。
そう思って、今日も完成に近いラフを持って打ち合わせに行ってます。
