ちひろ絵画教室でのこと。
机の上のコップが倒れて、
水がこぼれました。
絵の具を使う教室では、
まあ、よくある出来事です。
タオルで拭けばすぐ終わる、
そんな小さなこと。
でも、その瞬間、
私はちょっとびっくりしました。
「大丈夫?」って言いながら、
子どもたちがタオルを持ってきて、
床や机を一緒に拭き始めたんです。
しかも、
その子たちがこぼしたわけじゃない。
自分の水じゃないのに、
当たり前みたいに手伝っている。
誰かに言われたわけでもなく、
「手伝おう」と思って
自然に動いている。
それを見て、
なんだか胸がじんわりしました。
「なんていい子に育ってるんだろう…」
思わずそんなことを
考えてしまいました。
教室では、
絵を描くことが一番の目的です。
でも、
こういう場面を見ると、
子どもたちは絵だけじゃなくて、
もっと大事なことを
ちゃんと身につけているんだなと思います。
誰かが困っていたら、
手を出すこと。
自分のことじゃなくても、
「大丈夫?」って
動けること。
それって、
とても素敵なことだと思うんです。
先生としては、
「ありがとう、助かるよ」と言いながら、
内心ちょっと泣きそうでした。
こういう瞬間に出会えるから、
絵画教室っていいなと思うんですよね。
絵が上手になることも、
もちろん嬉しい。
でも、
それ以上に嬉しいのは、
こんな優しい姿を見られること。
子どもたちは、
ちゃんと育っています。
それを目の前で見られる私は、
とても幸せな先生だなと思いました。
