先日、ご縁があって「伊勢湾台風のつどい」というイベントに参加してきました。主催は「あかりプロジェクト桑名」の皆さん。場所は城南河川防災ステーション。私はそのお手伝いとして参加させていただきました。
私の役割は、ろうそくに火を灯しながら、交換するお仕事。シンプルな作業のようですが、これがとても大切な役割でした。小さな炎が並ぶ光景は、まるで祈りの集まりのようで、会場全体がやわらかく、厳かで、そして美しい空気に包まれていました。一本一本のろうそくに込められた想いが重なり合い、灯りがつながっていく。その光景は、まるで人と人との縁を表しているようにも見えました。
伊勢湾台風は、昭和34年に東海地方を中心に甚大な被害をもたらした災害です。実際に被災した方々の話を聞くと、数字や記録では伝わらない「生きた言葉」の重みを感じます。私自身は体験していない出来事ですが、こうして直接語り継がれる言葉に耳を傾けると、自分の中にも当時の緊張感や恐怖が少しずつ想像できてくる。だからこそ「語り部」の存在は本当に大切だと思いました。
あかりプロジェクト桑名の皆さんの活動は、ただ追悼や記憶を残すだけではなく、「未来にどうつなげていくか」という視点を持っているのが素敵でした。ろうそくの光を絶やさないように、誰かが次へと受け渡していく。その行為自体が、命のつながりや記憶の継承を象徴しているようで、胸にじんわりと広がるものがありました。
私が手伝ったのはほんの一部ですが、こうして現場で体験することで、心に残る学びや気づきがたくさんありました。「伊勢湾台風のつどい」は過去を振り返るだけでなく、これからの防災や地域のつながりについて考えるきっかけにもなる場。参加できて本当に良かったと思います。あのろうそくの光の美しさ、そして人の想いの強さを忘れずに、これからの日々を過ごしていきたいです。